以前のコラムにおいて、事業譲渡によるスキーム①として、名古屋市内の印刷業者の自己破産と事業譲渡(第二会社方式)を組み合わせた事業再生スキームを紹介しました。
このケースは、事業を譲り受けた第二会社は現在も業績好調ですので、成功例といえます。
ただ、うまくいかないケースもあります。
約3年前、当事務所は、名古屋市にある広告・WEBデザイン関連のA社から、事業再生に関する相談を受けました。
A社は、当時から5年ほど前までは業績好調でしたが、広告・WEBデザイン業界の競争が激化したことにより売上げが急減し、業務を縮小していたのですが、それも限界になったという相談でした。
当事務所は「A社は自己破産により清算+A社の事業は事業譲渡により別会社に譲渡して事業継続」というスキームを計画しました。
A社の従業員の雇用は継続し、新しく立ち上げたB社にて、A社の事業を継続する計画でした。
事業譲渡+第二会社方式の大きなメリットは、雇用を守ることが可能になるという点です。
実際に当事務所は、A社の自己破産を申し立て、B社に事業を譲渡しました。
B社はA社の全従業員の雇用を継続し、事業を継続しました。
しかし、結論として、約1年後、B社は譲り受けた事業を停止し、清算しました。
その理由は、広告・WEBデザイン業界の競争が激化している中で、A社の事業自体の競争力が低く、B社がA社の事業を以前のままで継続したのですが、競争力を強化することまではできず、結果として業界のライバルとの競争に勝てなかったという点に尽きるものでした。
やはり、事業自体に魅力や競争力、高い技術力がなければ勝ち残ることはできません。
また、事業譲渡+第二会社方式の場合、第二会社を新しく設立するケースでは、取引先は「新しく設立されたばかり会社で、取引実績がない」「新しい会社とは取引しない」といった対応とることもあり、その点も不利な要素でした。
ですので、当事務所では、現在の会社の事業を譲渡するかどうかを検討する場合、事業の収益性や将来性を慎重に検討します。
事業自体に収益性や将来性が見込めない場合には、事業譲渡といった手段を取らずに、破産することも検討します。
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