「会社の破産を考えていますが、まず何をチェックすればよいですか?」
「法人の代表者ですが、法人の破産をする前にチェックしておくことは何ですか?」
こういったご相談が増えています。
当事務所では、名古屋市内の法人や、最近では愛知県・近隣の企業の破産を行うことが多いのですが、破産する前に以下の点をチェックしてくださいとお願いしています。
①破産の流れを理解したうえで、法人と代表者の資産・債務の全体を冷静に把握してください。
②破産は最終手段なので、破産を回避できないかを確認してください。
③破産する旨の通知(受任通知と言います)を債権者に発送する日を決めてください。
④社員の方々に関する資料(タイムカード・賃金台帳・雇用契約書・就業規則・社会保険の資料)を準備してください。
⑤法人の代表者の資産(生活費)を確認してください。
【①破産の流れと、法人・代表者の資産・債務の把握】
破産は手続きですので、流れがほぼ決まっています。ですので、「次に何があるか」を知っておくと、スピーディに準備ができますし、なにより安心感につながります。
破産は、どうしても不安になり、冷静な判断ができなくなります。ですので、まずは流れを理解しておくことです(→法人破産の手続きの流れをご覧ください)。
そのうえで、法人と代表者の資産と負債(取引先、税金や社会保険の未払いを含みます)の全体を把握します。
その際に法人であれば2年分の決算報告書・確定申告書の控えをもとにチェックしていきます。
代表者については、個人の通帳、保険証券、不動産の謄本等をもとに資産や負債を把握していきます。
【②破産の回避の確認】
次に、①と並行して、「破産は最終手段」ですので、回避できないかを確認します。
ただ、破産を検討している段階ですから、法人をそのまま継続することは困難な場合が多いです。
そのため、法人の事業を譲渡することによって、事業だけは継続できないかという点のチェックがメインになります。
そこで、具体的には、法人の2年分の決算報告書・確定申告書の控えをもとに、「事業単体で利益が出るのか?」「事業を譲渡する場合の対価はどうするか?」といった点を確認します。
これによって、「事業単体で利益が出せる」「事業分野・対価からみれば買い手もいる」というメドがつきますと、事業譲渡を具体的に検討することになります。
逆に、「事業単体で利益が出ない」「事業分野・対価からみると、買い手がでそうにない」という判断になれば、破産するほかない、という場合もあります。
【③受任通知の発送日を決める】
以上から「法人を破産する」と決めた場合、次に③破産する旨の通知を債権者に発送する日を決めることになります。
この「受任通知」によって、法人は破産の準備を開始することを債権者その他関係者に知らせることになります。
また「受任通知」後、法人は事業を停止して、社員を解雇することになります。
このように受任通知をいつ発送するか、というのは重要な意味があります。
そこで、事前に「いつ受任通知を発送するのか」を慎重に決めることになります。
【④社員の方々に関する資料のチェック】
受任通知を出すのと同時に、当事務所では、全社員の方々に集まってもらい、弁護士から「破産します」「全員解雇となります」といった説明を行います。
その際に、社員の方々に関する資料(タイムカード・賃金台帳・雇用契約書・就業規則・社会保険の資料)を準備してもらいます。
社員の方々に対して、未払いの給与・解雇予告手当の計算を行って、残余財産があれば支払うこと、失業保険の給付のために手続きをとること、社会保険の切り替えについて説明します。
そのため、破産する前に、社員の方々に関する資料(タイムカード・賃金台帳・雇用契約書・就業規則・社会保険の資料)がそろっているかどうか、チェックするようにお願いしています。
【⑤法人の代表者の資産(生活費)の確認】
最後に、受任通知を発送すると、金融機関は法人の預金口座をロックします。
同時に金融機関は、連帯保証人(通常は法人の代表者)の預金口座もロックします。
そのため、事前に法人の代表者の口座から生活費や破産費用を引き出しておくことが必要です。
引き出したのちの使途や金額は、破産する場合にはすべて裁判所に記録として提出します。
以上が、法人や企業の破産をする前にチェックしておくポイントのまとめになります。
ご不明な点等がございましたら、無料相談をご利用ください。よろしくお願いいたします。
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