「法人破産を避けたいのですが、どうすればいいでしょうか?」
こういったご相談が増えています。
当事務所では、過去に【法人の特別清算+スポンサーに対して事業譲渡】というスキームにより、法人破産を回避して、事業を継続したケースをてがけたことがあります。
【ケースの概要】
A株式会社 東海地方の製造業(50年以上の社歴)
社員数:10名~20名 売上高 4億~5億
後継者が不在
業績の落ち込みより、数年前からメインバンク主導(中小企業再生支援協議会の協力)による「リスケ」を継続中。
同業他社のB社(以前から付き合いのある有力企業)がA社の支援に名乗りを挙げたものの、A社の資金繰りが非常に厳しく、破産するか否かという追い詰められた状況に。
このような状況で、A社の代表者の方が、知り合いのコンサルタントの方と当事務所にて相談にきました。
A社は、「なんとか話合いで解決したい」「民事再生や破産となると、B社の支援があっても、取引先が離れて事業継続できない」という思いがあり、「私的整理」による事業再生を検討しました。
具体的には以下の2つのスキームを検討しました。
「特定調停により金融債権だけをカットするスキーム」
「中小企業再生支援協議会における再生計画案により金融債権だけをカットするスキーム:スポンサーB社に事業譲渡」
ときおり「中小企業再生支援協議会(支援協)の手続きは時間がかかるので、資金繰りがひっ迫しているときは特定調停のスキームがベター」といった見解を見かけることがあります。しかし、必ずしもそうはいえないと思います。
結局は、私的整理=「金融機関の同意を得られるかどうか」がポイントになるため、場合によっては支援協の手続きにより再生計画を策定したほうが早く金融機関の同意が得られることもあると考えています。
当事務所は、A株式会社について、中小企業再生支援協議会の手続きにより再生計画を策定し、スポンサーB社による事業譲渡+特別清算による金融債権のカットというスキームを実行しました。
具体的には、支援協の主導で公認会計士の方に財務デューデリジェンスを行い、A社の清算価値を算定して、清算価値を十分に上回る「譲渡対価」をB社が支払うという内容の事業譲渡を実行し、譲渡対価を各金融機関に按分弁済して、A社は特別清算により清算しました。
B社は、A社の事業や社員をすべて引き継ぎ、今までと同じように経営を続けることができています。
本ケースでポイントになったのは、数年間つづいてたリスケのバンクミーティングにおいて、A社の代表者が、苦しい状況をきちんと説明してきており、B社の事業譲渡が最後のチャンスとなること(これを逃すと破産すること)を誠意をもって説明したことにあると考えています。
支援協や金融機関も、A社の代表者の人間性や真摯な態度を理解しており、経済的合理性もあることから上記スキームを受け入れることになりました。
破産を避けて、事業譲渡を行って、法人は特別清算により清算する場合、金融機関の同意が得られるかどうかがポイントになりますが、まずは「A社(代表者)が信用できるか」という点が重要になります。
「破産を避けたいが、事業を残すことができないか」と思い悩んでいる経営者の方は多いと思われます。
まずは早めに専門家である弁護士に相談されることをお勧めします。
当事務所では、無料相談(初回の1時間)を実施しております。
過去に100件を超える倒産案件に関与した経験から、倒産・再生案件は早めの相談が重要と考えているからです。
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なお、無料相談を含めた倒産・再生のスケジュールについては事業再生のスケジュールをご覧ください。
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