前回のコラムの続きです。
最近、相談が増えているのが「リスケが先行している中小企業における出口戦略は何がベターか?」という点です。
具体的にリスケの流れを説明しますと、
①中小企業が苦況になる。専門家やメインバンク担当者に相談。
↓
②メインバンクに支援申請→各金融機関へのリスケ(利払いのみ)要請に移行。
↓
③バンクミーティングにて「リスケ内容」「事業計画(リストラ計画含む)」等の承認。
大まかに言いますと、以上の流れでリスケ実行に至ると考えられます。
スケジュール感としては、①~②~③で2~3ヶ月かと思います(大まかですが)。
その後、無事に事業の立て直しが実行・完了すれば、リスケは終了して、通常の支払(元金+利息)に戻るという流れになります。
しかし、企業側が事業の立て直しを図っても事業計画通りに再建が進まない場合があります(その理由は様々です)。
そうなってくると、バンクミーティングにて再度のリスケの承認となりますが、「では今後どうする?(出口戦略はあるのか?)」が問題になります。
あるいは、事業計画の進捗が思わしくない、という状況になれば同じようにリスケ後の出口戦略が問題なります。
具体的には
A:スポンサーを選定して、M&A(合併や株式譲渡)によって会社を譲渡する。
B:企業を黒字部門と赤字部門に分けて、黒字部門を事業譲渡または会社分割によってスポンサーや別会社に移転する。
以上の戦略を検討することが多いと思います。
Aは、「リスケ中の会社を買ってくれるスポンサーを選定できるか?」というのがハードルになります。
Bは、黒字部門であれば値段次第で買うというスポンサー(あるいは関係企業)はいるとしても、「企業に残る負債(とくに金融負債)をどのように処理するのか?」という点が課題になります。
前回のブログにて紹介しましたが、「企業に残る負債(とくに金融負債)をどのように処理するのか?」という課題に対しては中小企業再生支援協議会スキームが有効であるケースが多いと考えています(中小企業再生支援協議会)。
具体的に言いますと、中小企業再生支援協議会スキームによって「黒字部門をスポンサー・別会社に事業譲渡・会社分割」+「赤字部門を残した企業を特別清算」という手法を金融機関全員の同意のもとで進めるというものです。
中小企業再生支援協議会スキームの優位性は大まかに言いますと2点です。
■地域の中小企業においては、地域の金融機関(保証協会を含む)が多く関与しており、中小企業再生支援協議会の考え方やスキームに対する信頼性が高いケースが多いです。
■リスケ後の出口戦略においては企業の経営陣の連帯保証が問題になりますが、その場合には「経営者保証のガイドライン」にしたがって整理することになります。経営者保証のガイドラインを用いた経営者の保証債務の整理も、中小企業再生支援協議会スキームによって同時並行して実行することができるので、結果として、スキームの進行がよりスピーディかつ円滑に進むことが多いです。
以上の理由により、中小企業再生支援協議会スキームが有効であるケースが多いと考えています。
というわけで、次回以降のコラムにおいて中小企業再生支援協議会スキームの実例を基に具体的な流れやポイントをご説明していきます。
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