前回からの続きです。「リスケ後の出口戦略」は、相談や質問が多いテーマの1つです。
さて、リスケ後の中小企業再生支援協議会(支援協)スキームについて具体的な流れやポイントを説明していきます。
<案件の概要>
A株式会社 東海地方の製造業(50年以上の社歴)
社員数:30名未満 売上高:5億未満
後継者不在
業績の落ち込みより数年前からメインバンク主導(支援協の協力)によるリスケを継続中。
<流れ・スケジュール>
1月:最初の相談
A社とコンサルタント同席
2月:第1回バンクミーティング
弁護士側から第二会社方式(スポンサーへの事業譲渡型)による事業再生の概略を説明
3月:メインバンク+保証協会との事前打ち合わせ
→「支援協によるスキームであれば検討する」との方針を確認
4月:2回目のバンクミーティング
支援協によるスキーム(いわゆる検証型)に基づいて、スポンサーへの事業譲渡+金融機関に一時弁済+A社の特別清算を進めることを説明
支援協の再生計画案の原案を説明+公認会計士によるデューデリジェンスの実施
6月:3回目のバンクミーティング
支援協の再生計画案の修正案を説明+公認会計士によるデューデリジェンス結果の報告+支援協による検証結果の報告
→金融機関から支援強に対して再生計画案の「同意」
7月:事業譲渡 クロージング
8月:金融機関に対する一時弁済の実施(原資:事業譲渡対価)
9月:A社 解散→特別清算の申立
以上の通り、金融機関による結論が出るまでに半年、事業譲渡のクロージングまでに7ヶ月を要しています。
ですが、金融機関側の稟議の準備やスポンサーとの協議といった事項がありますので、非常に早い進行かと思います。
次回以降のコラムにおいて、各項目におけるポイントをご説明していきます。
当事務所では、事業譲渡や特別清算による事業再生(破産や民事再生ではない、再生方法)についても専門的に扱っております。
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