Archive for the ‘事業再生’ Category

コロナ禍での企業倒産の減少と2021年春の融資の返済期限について

2021-01-15
昨日(2021年1月14日)の日経新聞朝刊に企業倒産がコロナ禍でも減少した、という記事が掲載されていました。

記事によりますと、2020年の企業倒産件数は、前年比7%減少して約7700件であり、2年ぶりに減少に転じ、1990年以来の低水準となったとのこと。新型コロナウイルス禍で中小企業の倒産が相次ぐとみられていたが、実質無利子・無担保融資などの政策支援が経営を下支えしたことが要因。

ただすでに多額の借金を抱えた企業の借り入れ余力は乏しい。2020年春に借り入れ額が増加しており、2021年春に返済期限となるとみられており、再度の緊急事態宣言が出された現状からすると、2021年春の返済が厳しいのではないか、追加融資が可能なのか、とのこと。

 

たしかに、法人破産の相談は実感としては減少しているのかな、と感じています。

ですので、政策支援によって中小企業の資金繰りを支えていると考えられます。

となると、2021年春に政策支援による融資が返済期限をむかえるとなれば、再び政策支援によって追加の融資が受けやすくするのではないかと考えられます。

例年、3月(年度末)は倒産や事業再生に向けた動きが出てくる時期と重なります。

 

コロナ感染や緊急事態宣言が2月にはいってどうなるか、それとあわせて政策支援によって追加融資が受けやすくなるのかどうかは、2021年3月以降の企業倒産の動向を考える上で大きな要因となると考えられます。

 

ご不明な点等がございましたら、無料相談(初回1時間無料)をご利用ください。よろしくお願いいたします。

代表弁護士  阪野 公夫

 

 

主な対応エリア

愛知県全域(名古屋市:千種区、東区、北区、西区、中村区、中区、昭和区、瑞穂区、熱田区、中川区、港区、南区、守山区、緑区、名東区、天白区、豊橋市、岡崎市、一宮市、瀬戸市、半田市、春日井市、豊川市、津島市、碧南市、刈谷市、豊田市、安城市、西尾市、蒲郡市、犬山市、常滑市、江南市、小牧市、稲沢市、新城市、東海市、大府市、知多市、知立市、尾張旭市、高浜市、岩倉市、豊明市、日進市、他)岐阜県、三重県、静岡県

上記以外でも一度ご相談ください。

 

 

 

【特別清算+スポンサーに事業譲渡】の成功例 ~法人破産を避けるために

2021-01-08

「法人破産を避けたいのですが、どうすればいいでしょうか?」

 

こういったご相談が増えています。

当事務所では、過去に【法人の特別清算+スポンサーに対して事業譲渡】というスキームにより、法人破産を回避して、事業を継続したケースをてがけたことがあります。

 

【ケースの概要】

A株式会社  東海地方の製造業(50年以上の社歴)

社員数:10名~20名  売上高 4億~5億

後継者が不在

業績の落ち込みより、数年前からメインバンク主導(中小企業再生支援協議会の協力)による「リスケ」を継続中。

同業他社のB社(以前から付き合いのある有力企業)がA社の支援に名乗りを挙げたものの、A社の資金繰りが非常に厳しく、破産するか否かという追い詰められた状況に。

 

このような状況で、A社の代表者の方が、知り合いのコンサルタントの方と当事務所にて相談にきました。

A社は、「なんとか話合いで解決したい」「民事再生や破産となると、B社の支援があっても、取引先が離れて事業継続できない」という思いがあり、「私的整理」による事業再生を検討しました。

具体的には以下の2つのスキームを検討しました。

特定調停により金融債権だけをカットするスキーム」

中小企業再生支援協議会における再生計画案により金融債権だけをカットするスキーム:スポンサーB社に事業譲渡

 

ときおり「中小企業再生支援協議会(支援協)の手続きは時間がかかるので、資金繰りがひっ迫しているときは特定調停のスキームがベター」といった見解を見かけることがあります。しかし、必ずしもそうはいえないと思います。

結局は、私的整理=「金融機関の同意を得られるかどうか」がポイントになるため、場合によっては支援協の手続きにより再生計画を策定したほうが早く金融機関の同意が得られることもあると考えています。

 

当事務所は、A株式会社について、中小企業再生支援協議会の手続きにより再生計画を策定し、スポンサーB社による事業譲渡+特別清算による金融債権のカットというスキームを実行しました。

 

具体的には、支援協の主導で公認会計士の方に財務デューデリジェンスを行い、A社の清算価値を算定して、清算価値を十分に上回る「譲渡対価」をB社が支払うという内容の事業譲渡を実行し、譲渡対価を各金融機関に按分弁済して、A社は特別清算により清算しました。

B社は、A社の事業や社員をすべて引き継ぎ、今までと同じように経営を続けることができています。

 

本ケースでポイントになったのは、数年間つづいてたリスケのバンクミーティングにおいて、A社の代表者が、苦しい状況をきちんと説明してきており、B社の事業譲渡が最後のチャンスとなること(これを逃すと破産すること)を誠意をもって説明したことにあると考えています。

支援協や金融機関も、A社の代表者の人間性や真摯な態度を理解しており、経済的合理性もあることから上記スキームを受け入れることになりました。

 

破産を避けて、事業譲渡を行って、法人は特別清算により清算する場合、金融機関の同意が得られるかどうかがポイントになりますが、まずは「A社(代表者)が信用できるか」という点が重要になります。

 

「破産を避けたいが、事業を残すことができないか」と思い悩んでいる経営者の方は多いと思われます。

まずは早めに専門家である弁護士に相談されることをお勧めします。

 

当事務所では、無料相談(初回の1時間)を実施しております

過去に100件を超える倒産案件に関与した経験から、倒産・再生案件は早めの相談が重要と考えているからです。

無料相談のご予約は0120-710-883にお電話いただくか、お問い合わせフォームにてご連絡ください。

なお、無料相談を含めた倒産・再生のスケジュールについては事業再生のスケジュールをご覧ください。

 

 

代表弁護士  阪野 公夫

 

 

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法人倒産の前に弁護士による無料相談がおすすめです。

2020-11-06

「もっと早く弁護士に相談しておけばよかったです」

 

倒産に関する法律相談を行った後、相談者の方が口をそろえておっしゃるのが「もっと早く相談しておけばよかった」です。

どうしても「倒産」「破産」といったネガティブな内容であることや、「倒産」について外部に相談すると漏れてしまい、取引先にバレてしまうのではないかといった心配もあり、専門家に相談することが遅れてしまう傾向にあります。

 

また、金融機関の方やコンサルタントの方からは「弁護士に相談すると、破産させられる」「事業再生の相談を弁護士にしたら、とにかく破産すべきという回答だった」といったご意見を頂くこともあります。

弁護士に「事業が赤字です、と相談」=「破産へ進む」というイメージがあるのかもしれません。

しかし、そんなことはありません。

通常は法人の方から弁護士が「事業が赤字です」「資金繰りが苦しいです」という相談を受けた場合、状況に応じた法的手段についてアドバイスを受けることになると思います。

 

具体的には、当事務所では法律相談の受付の際に「資金繰りが苦しいです」等の内容を聞き取った場合には事前に以下の資料の準備をお願いしています。

・会社案内・パンフレット等、事業内容が分かるもの
・会社の現在事項証明書(会社の謄本)
・決算書(過去3年分)
・試算表

こういった資料を基に「役員構成・株主構成・従業員数・事業の内容」といった基本事項をうかがいます。

つぎに

「経常利益がでているかどうか」「資金繰りの状況」

「手形不渡りの危険性」「債権者の法的措置の可能性の有無」

「金融機関の動向」「その他の借入の状況」

についてヒアリングします。

そのうえで

「事業の現状と将来性」「得意先・仕入先の詳細」

「企業の強みや弱み」「事業展開の将来性」

「株主や他の役員の意向」「従業員の状況・キーマンの動向」

についてうかがいます。

最後に「経営者の方の事業に対する基本的な考え方」をうかがいます。

 

以上のヒアリングを行った上で、当事務所では

①最適な事業再生の手法の説明

②各事業再生の手法のメリットとデメリット・リスクについて

事業再生のスケジュールについて

以上の点を説明します(事業再生の各手法については「再生と清算」をご覧ください)。

 

通常は、最初の相談(30分~1時間程度)を終えると、経営者の方が「一度、検討します」と仰って帰られるケースがほとんどです。

当事務所では、法律相談をお受けしたら必ず受任するということはなく、経営者の方にじっくりと検討してもらっています。

「他の法律事務所にも相談している」「他の弁護士の方にもアドバイスをもらっている」ということもよくあります。

 

事業再生の様々な手法がありケースバイケースですので、弁護士によってアドバイスの内容が異なることはよくあります。

ですので、早めに専門家である弁護士に相談されることがおススメです。

なお、当事務所における「法人破産を含めた倒産・再生案件についての実績」は「弁護士紹介」をご覧頂きたいです。

 

当事務所では、無料相談(初回の1時間)を実施しております

過去に100件を超える倒産案件に関与した経験から、倒産・再生案件は早めの相談が重要と考えているからです。

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なお、倒産・再生のスケジュールについては事業再生のスケジュールをご覧ください。

 

 

 

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民事再生か?自主再建か? -民事再生の「メリット・デメリット」が知りたい方、必見です。

2020-04-29

「民事再生が可能でしょうか?できれば民事再生をしたいのですが」

こういったご相談が増えています。

 

ただ、民事再生の「メリット」「デメリット」が分かりにくいために、はやめに民事再生の準備をすすめるべき法人がタイミングを逃してしまうケースをよくみかけます。

逆に、「自主再建でいけるのではないか」と思われるケースで民事再生を選択し、かえって法人の「再生」が困難になってしまったという相談も受けることがあります。

ですので、民事再生の大まかな全体像(メリット・デメリット)を理解することが重要です。

細かな点は、後に軌道修正が可能です(逆に、事業再生を進める中で細かな修正点が多々出てくるのが普通です)。

 

今回は、民事再生の大まかな全体像(おもなメリット・デメリット)を説明します。

「民事再生をすべきか?」「自主再建が可能か?」という事業再生の方針・スキームという重要な決定をするための材料になると思います。

 

まずは判断の順序と主な判断要素を図解で説明します。

「資金繰りが悪化した」、「業績が悪化した」という場合に「①再建できるか?」という判断からスタートして、最終的に「自主再建」にたどり着くことができるかどうかを検討することになります。以下、順番に見ていきます。

 

① 再建できるかどうか?

<判断要素>

⑴ 非常に重要なのが「経営者のやる気・再生に向けた覚悟」です。意外に思われるかもしれませんが、これがないと再建はできません。

やはり資金繰りが苦しい、業績が悪化したという厳しい状況ですので、ここが肝心です。

⑵ 資金繰りが持つかどうか。再建には一定程度、時間がかかります。言うまでもないかもしれませんが、資金繰りが持つかどうかが重要です。

⑶ 償却前営業利益が黒字見込みかどうか。再建を進めても、償却前営業利益の黒字見込みがない、となると再建は困難と考えられます。

 

主に以上の3点から判断して、「再建できない」と判断されれば破産や特別清算、事業廃止を検討することになります。

逆に「再建できる」と判断されれば、次のステップに進むことになります。

※ほかにも様々な判断要素がありますが(従業員の状況等)、まずは上記3点です。

 

② 民事再生の申し立てが不可欠と考えられる状況かどうか?

次に、「再建できる」として、民事再生が不可欠かどうかを判断します。

この点が、非常に重要です。民事再生の大まかな全体像(おもなメリット・デメリット)と関わる点です。

民事再生のメリット

 ■裁判所を通じて、原則として、すべての債権者に対して民事再生の効力が及びます。

 ■一部の債権者が個別の回収行為を行っている(行おうとしている)←止めることができます。

 ■裁判所のスケジュールにて再生計画を提出し、再生計画が認可されれば、再生計画にしたがって一部弁済を行います。

民事再生のデメリット

 ■全債権者が対象となるので、取引先も対象となり、取引が中止・現金払いとなる等の障害が発生するリスクがあります。

 ■調査会社・報道を通じて、一般に「民事再生の申立」が明らかになるので、風評被害が発生するリスクがあります。

 

以上の点を考慮して、民事再生の申し立てが不可欠かどうかを判断します。

⑴ 手形不渡りが間近

⑵ 債権回収が実行されている

⑶ 仕入れ先への支払いを停止しないと資金繰りが回らない

⑷ 一部の債権者が再建に対して強硬に反対している

 

主に以上のような状況があると、「民事再生を申し立てるほかない」という結論に至ります。

逆に、以上のような事情が無ければ、民事再生の申立が不可欠とまではいえないので、次の判断に進みます。

 

③ 金融機関の同意の見込みがあるか

民事再生が不可欠ではない場合、次に金融機関の意向が十両になります。

この点が「自主再建できるかどうか」を検討する上で非常に重要です。

⑴ 再生価値がある。

⑵ 自力で運転資金を確保できる(スポンサーなど)。

⑶ 業績悪化の原因を除去できる。

以上のような状況であれば、金融機関は自主再建に向けて「同意する」と見込まれます。

逆に、以上のような状況になければ、自主再建は困難ですので民事再生の申し立てを検討することになります。

 

④ リスケが可能か?

最後は、リスケが可能かどうかです。

金融機関は、償還年数(15年以内か)や収益力の改善等を考慮して、リスケが可能かどうか判断します。

リスケが可能となれば、金融機関とリスケについて合意し、利息払いのみに切り替えて、すこしでも運転資金の確保に努めることになります。

こうなれば、自主再建が可能、ということになります。

 

逆に、償還年数が非常に長期となる、収益力の改善が見込まれないといった事情によりリスケができないとなると、自主再建が困難になります。

すなわち、約定弁済(金融機関と合意した元利の支払い)の期限を徒過して、金融機関による預金相殺や仮差押、保証協会の代位弁済が行われるといった事態に陥ります。

こうなると、民事再生や債権カット(第二会社方式といったスキーム)を検討することになります。

 

以上が「民事再生をすべきか?」「自主再建が可能か?」という判断をするために考慮すべき、「民事再生のおもなメリット・デメリット」になります。

 

なお、当事務所における「再生案件についての実績」は、「弁護士紹介」をご覧頂きたいです。

 

当事務所では、「再生案件は早めの相談が重要」と考えておりますので、最初の相談については30分無料としております。

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民事再生の愛知県・名古屋での申立(法人)の減少傾向について

2020-04-27

「法人の民事再生の申し立てを検討しています」

という相談が増えています。

ですが、民事再生のデメリットをご説明すると、「やめておきます」という結論となることが多いです。

 

名古屋地方裁判所における民事再生(法人)は新規件数(愛知県全域)は減少傾向にあります。

平成20年度 38件

平成21年度 30件

 ↓ ↓ ↓

平成28年度 16件

平成29年度 9件

平成30年度 11件

※裁判所が公開している「司法統計」から抜粋

10年前(平成21年)と比べると、約3分の1に減少しています。

この傾向(法人の民事再生申立の減少)は、名古屋(愛知県)に限ったことではなく、他の地域でもほぼ同様です。

ちなみに、個人の民事再生の申立件数は増加傾向にあります。

 

名古屋地方裁判所において(愛知県全域)民事再生の申立てが減少している理由は、いろいろと考えられますが、民事再生のデメリットが関係していると思われます。

民事再生のデメリットは、大きくは以下の点です。

①すべての債権者(取引債権を含む)が対象となること

②民事再生の申立が一般に明らかになること

 

民事再生は倒産法制における「債権者平等」の基本理念によって全債権者を対象として手続きが進行します。

例外的に少額債権者の取り扱いは規定がありますが、原則は全債権者が対象です。とりわけ、取引先に対する未払い金があると、民事再生によって再生債権として扱わ、支払いが停止され、後の再生計画において一部の弁済となります。

そのため、取引先は、再生申立がなされると「これからは現金決済で」「取引停止」といった措置を取ることが多く、再生をさまたげてしまうことがあるのです。そういったケースが増えており、結果、民事再生が敬遠されていると思われます。

 

さらに、民事再生は調査会社等によって「〇〇社が民事再生の申し立てへ」といった報道がなされます。そのことも信用不安を増大させ、再生をさまたげる要因となる場合があります。

 

そのため、ここ最近は、取引先を除いて一部の債権者(主には金融機関)と事業再生に水面下で向けて協議するという、いわゆる私的整理が増えています。

私的整理のメリットについては「私的整理・特定調停のメリット」をご覧ください。

 

また、最近の当事務所における「事業再生の実績」は、「弁護士紹介」をご覧頂きたいです。

 

民事再生を含め事業再生については早めの相談が重要と考えておりますので、当事務所は最初の相談については30分無料としております。

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2020年は企業倒産が増加? 中小企業の後継者難

2020-01-27

本年もよろしくお願いいたします。

 

2020年1月10日の日経新聞朝刊に「企業倒産 一転増加へ」と題する記事が掲載されました。

日経電子版はhttps://www.nikkei.com/article/DGKKZO54225870Z00C20A1EE8000/

 

記事によりますと、リーマン・ショックがあった2008年を直近のピークに減ってきた企業倒産が増勢に転じる見込みであり、2019年は1~11月の倒産件数が約8千件。通年で2018年実績(倒産件数:約8200件)を上回り、2020年も増加傾向が続く見通しとのこと。

とりわけ、中小企業において後継者難から事業継続に行き詰まる事例が目立つと指摘されています。

 

実は、近年は倒産件数が減少傾向にありました。

しかし、2019年から2020年以後、倒産が増加するとのことです。

 

たしかに、当事務所でも、昨年11月ころから中小企業の破産や事業再生の相談が増えています。

相談の中で、中小企業の経営者の方から

「事業が苦しくなってきたが、後継者がおらず、取引先や従業員に迷惑をかけたくないので、事業をやめるにやめられない」

「事業をやめて倒産すると、自分自身の連帯保証によって自己破産になってしまう」

という悲痛な声を耳にします。

 

しかも、じっくりと相談にてお話をうかがうと

コア事業は強い

特定の商品の売り上げは伸びている

というケースがほとんどです。

 

しかし、中小企業においては競争力のある「強み」を有しているのに、営業力やウェブ対応の遅れといった要因により「強み」を活かしきれていないことが多いのです。

 

2020年1月10日の日経新聞朝刊には「生産性向上の痛みから逃げるな」と題するオピニオンも掲載されているのですが、その中で、中小企業が小さいままでは生産性が向上しない可能性が高いので、中小企業の合併・統合を進めて生産性を向上させるべきとの意見が掲載されています。

日経電子版はhttps://www.nikkei.com/article/DGXMZO54217010Z00C20A1TCR000/

 

そうだとすると、中小企業においては競争力のある「強み」を事業譲渡やМ&Aによって移転することは、重要な経営戦略・組織再編の方法として位置づけられると考えられます。

 

当事務所では、事業再生、事業譲渡・M&Aやについても専門的に扱っております。

これらの廃業や清算、事業譲渡・M&Aに関する法律相談は初回30分無料にて行っております。まずはお気軽にご連絡ください。

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事業譲渡+特別清算による再生スキーム ④リスケ後の中小企業再生支援協議会スキーム

2019-06-06

前回からの続きです。「リスケ後の出口戦略」は、相談や質問が多いテーマの1つです。

 

さて、リスケ後の中小企業再生支援協議会(支援協)スキームについて具体的な流れやポイントを説明していきます。

 

<案件の概要>

A株式会社  東海地方の製造業(50年以上の社歴)

社員数:30名未満  売上高:5億未満

後継者不在

業績の落ち込みより数年前からメインバンク主導(支援協の協力)によるリスケを継続中。

 

<流れ・スケジュール>

1月:最初の相談

   A社とコンサルタント同席  

2月:第1回バンクミーティング

   弁護士側から第二会社方式(スポンサーへの事業譲渡型)による事業再生の概略を説明

3月:メインバンク+保証協会との事前打ち合わせ

  →「支援協によるスキームであれば検討する」との方針を確認

4月:2回目のバンクミーティング

   支援協によるスキーム(いわゆる検証型)に基づいて、スポンサーへの事業譲渡+金融機関に一時弁済+A社の特別清算を進めることを説明

   支援協の再生計画案の原案を説明+公認会計士によるデューデリジェンスの実施

6月:3回目のバンクミーティング

   支援協の再生計画案の修正案を説明+公認会計士によるデューデリジェンス結果の報告+支援協による検証結果の報告

   →金融機関から支援強に対して再生計画案の「同意」

7月:事業譲渡 クロージング

8月:金融機関に対する一時弁済の実施(原資:事業譲渡対価)

9月:A社 解散→特別清算の申立

 

以上の通り、金融機関による結論が出るまでに半年、事業譲渡のクロージングまでに7ヶ月を要しています。

ですが、金融機関側の稟議の準備やスポンサーとの協議といった事項がありますので、非常に早い進行かと思います。  

 

次回以降のコラムにおいて、各項目におけるポイントをご説明していきます。

 

当事務所では、事業譲渡特別清算による事業再生(破産や民事再生ではない、再生方法)についても専門的に扱っております。

これらの事業譲渡・私的整理・特別清算に関する法律相談は初回30分無料にて行っております。まずはお気軽にご連絡ください。

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事業再生における清算価値の算定方法

2018-03-15

事業再生には、民事再生任意整理、さらには第二会社に事業譲渡を行うといった手法など、様々あります。

それぞれの手法において、注意事項や法的な効力は異なります。

しかし、どの手法にも共通する原則、というものが存在します。

その一つが、「清算価値保障原則」といわれるものです。

 

簡単に言いますと、「A社が事業再生(民事再生や任意整理など)を行う場合債権者に対する弁済額は、A社が破産する場合の配当額よりも上回っていなければならない」という原則です。

すなわち、A社が破産によって清算した場合の配当額は最低限度の弁済額であるから、A社が事業再生を行うのであれば、事業再生による弁済額はそれを上回っていなければならない、ということです。

 

そうしますと、民事再生や任意整理を行う場合、または第二会社に事業譲渡・会社分割を行って債務超過の会社を清算する場合でも、この清算価値保障原則の適用を受けますから、債権者から「清算価値保障原則を充たしていますか?」と質問されることになります。

ですので、事業再生を実行する前に、会社の清算価値を算定しておく必要があります。

 

当事務所では、決算書を基に非常貸借対照表(※サンプルです)を用いて、簿価と実際の現在価値の査定を行い、清算価値を算出しています。。

名古屋地方裁判所においては、民事再生の申立等において、非常貸借対照表の提出を求められることが一般的です。

 

当事務所では、企業の事業再生(民事再生、任意整理、事業譲渡、特別清算、破産)を専門的に扱っております。

これらの事業再生に関する法律相談は初回30分無料にて行っております。

まずはお気軽にご連絡ください。

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金融機関との交渉における注意事項(金融機関の視点)

2018-03-06

 

 事業再生を進める上で、企業の債権者との交渉、とりわけ金融機関との交渉は重要です。

 金融機関との交渉内容は、任意整理という手法であれ、第二会社への事業譲渡+清算といった手法であれ、事業再生の成否を大きく左右します。

 

 当事務所では、主に名古屋市内の企業の事業再生の業務を行ってきましたが、愛知県内、岐阜県や静岡県といった近隣の地域でも事業再生を行ってきました。

 事業再生の内容によって、その地域における特殊性はそれぞれありますが、金融機関との交渉事項においては、どの地域においても金融機関の視点(見方)といいますか、交渉において注意すべき事項があると感じています。

 以下、五つの視点から、注意事項をまとめてみました。

 

 企業情報の適時・適切な開示(情報開示の視点

 どのような事業再生の手法を行うにせよ、情報開示は極めて重要です。金融機関が「企業側・経営者側が重要な情報を隠している」と考えてしまうと、進むものも進みません。

 これは事業再生に限らず、金融機関との交渉・対応において重要と言えますが、とりわけ事業再生の場面では金融機関の利害と対立することが多いため、できる限り情報を開示する、有利な情報だけでなく、不利な(悪い)情報も開示するという視点が大切と考えています

 

 経営者がどのように責任をとったのか(経営責任の視点

 「役員報酬の大幅カットを中心とした財務リストラを進め、同時に金融機関への条件交渉を行う」といったように、経営者がどのような責任を取るのか、という視点は重要です。

 逆に言えば、金融機関に求める交渉内容によって、経営者の責任の取り方も変化する、といえるかもしれません。ある意味では当然といえます。

 第二会社への事業譲渡+清算という事業再生の手法を実行する場合、金融機関の協力を取り付けようとすれば、経営者の責任はより厳しく問われます。

 

 自行だけが不利益ではないか(公平性の視点

 これも当然といえるでしょう。

 「他行への返済状況」といった基本的な事実関係だけでなく、情報開示を行った上で、事業再生によって公平な負担・公平な結果になるのかどうかが重要です。

 

 計画の実現可能性は高いのか(実現可能性の視点

 事業再生には様々な手法がありますが、通常は、企業が一定の時間をかけてプロセスを経て事業の再生を目指します。

 そのため、金融機関は「一定の時間を待ったとして、本当に実現するスキームなのか?」という点を注視しています。

 実現可能性に関する証拠や取引先の確保、従業員の確保など、複数の観点から実現可能性を検証することになりますので、金融機関の交渉の前に十分な準備が必要になります。

 

 経済的合理性があるのか(経済的合理性の視点

 以上①~④の視点から検討した上で、金融機関は「はたして、この事業再生の計画は経済的合理性があるのか?」という検証を行います。

 事業再生との関係で言いますと、「仮に今、企業が破産した場合の弁済(予定)額と、今後の事業再生によって得られる弁済(予定)額」との比較が重要です。

 「破産した場合の弁済(予定)額 < 事業再生によって得られる弁済(予定)額

 これを清算価値保証原則といいます。

 事業再生においては、清算価値保証原則を充足した事業再生の計画を立てることが必要になります。

 

 ほかにも、事業再生において金融機関とさまざまな事項について交渉します。

 ですが、以上の①~⑤の視点から事業再生の手法について事前に検証しておくことが重要です。

 

 ご不明な点などございましたら、お気軽にご相談下さい。

 事業再生(任意整理、民事再生・破産・清算、廃業など)に関する初回の相談は30分無料で行っております。

 ご予約は0120-710-883までお願いします。

 

 

中小企業の事業再生 ~事業譲渡スキーム① 第二会社による事業譲渡

2018-01-18

当事務所では、名古屋市内にある印刷業者(従業員5名)の自己破産と事業譲渡を組み合わせた事業再生スキームを実行しました。

 

約10年前、知り合いからの紹介で印刷業者の息子さんから相談を受けました。

 

「名古屋市内で父親や親戚が印刷業を営んでいる。従業員は自分を含めて5名。代表取締役は父親だが、取締役に親戚がおり、会社にお金を貸しているなど争いが絶えない。しかも、本業の印刷業はニッチな分野に強みがあるものの、右肩下がりの状況。業績は赤字続きであり、銀行から運転資金の追加融資は困難との回答があったばかり。どうすればいいでしょうか?」

 

検討を重ねましたが、親族間の争いが絶えず、従業員の士気も下がっており、しかも赤字が2期連続続いており、債務超過が膨らんでいく状況でした

 

しかし、息子さんは「印刷業は続けたい」という強い希望を有していました。

その理由を尋ねると「約20年、印刷業を続けてきており、ニッチな分野に強みがあり、専用の機械は古くなっているが、修理すれば使用できる。同業他社は減少しており、専用の機械の製造も中止されているから、営業を強化して、ニッチな分野に特化すれば利益は出ます」とのこと。

 

 当事務所は「現状の会社は自己破産により清算+事業譲渡により別会社が印刷業を譲り受けて、事業継続」というスキームを計画しました。

 

 現状の会社が自己破産することに伴い、銀行からの借入等の連帯保証人であった父親(代表取締役)も自己破産することになりました。

 その結果、親族間の争いは収束していきました。

 

 問題は「破産する会社の事業を譲渡する」という点でした。

 

 まずは中古機械業者やリサイクル業者に依頼して、中古機械や什器備品類の現状の価格を査定してもらいました。

 次に事業の価値の査定ですが、これは税理士・会計士の先生に査定を依頼しました。しかし、過去3期分の決算書等の会計資料から査定しようとしても、赤字続きのため価値がつかない(0査定)という結果となりました。

 ただ、これでは破産する会社の管財人からすると、「事業を不当に安く売った」として否認されかねません。

 そこで、税理士・会計士の先生と協議して、過去3期分の決算書等の会計資料を再度精査した上で、今後見込まれる利益を予測して価値を査定することになりました。

 最終的には、事業価値+中古機械・什器備品類の価格=譲渡価格を算出しました。

 

 息子さんは新しい会社を設立し、譲渡価格を破産する会社に支払い、印刷事業と中古機械類を譲り受けました。

 破産する会社は、譲渡価格を破産費用に充てて破産申立を実行しました。

 

 破産申立後、破産管財人に事業譲渡をするに至った経緯、譲渡価格の算定根拠を丁寧に説明しました。破産管財人にご納得いただき、否認されることなく、新しい会社は譲り受けた事業を継続しました(従業員5名の雇用は継続)。

 その後、新会社はニッチな印刷事業に特化、さらに息子さんが営業を強化することによってV字回復を果たしました。

 

 新会社は設立から約10年が経過しましたが、その後も順調に業績を伸ばしておられます。

 

 ポイントはいろいろあるのですが、振り返ってみますと「事業譲渡の価格の査定」が一番のポイントだったと思います。

 譲り受ける側は「事業価値を抑えたい」と考えますので、どうしても「赤字続きだし、悪い要因があるから、事業価値は0に近い」と主張されます。

 しかし、その後に破産する場合(破産しないとしても債権者が詐害行為取消を主張する場合もあります)、破産管財人が否認権を行使するリスクがあります。そうなると、事業継続に支障が出てしまいます。

 

 今後、事業譲渡による事業再生を検討されている方は、「事業譲渡の価格の査定」については税理士・会計士といった専門家にご相談の上で、慎重に進められることをお勧めします。

 ご不明な点などございましたら、ご相談ください。

代表弁護士  阪野 公夫

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