実例公開 飲食店のM&A(事業譲渡) ②調査の実施

前回のコラム(実例公開 飲食店のM&A(事業譲渡) ①交渉のスタート)の続きです。

 

実際の名古屋市内での飲食店(1店舗)の事業譲渡の実例をもとに、ポイントを解説します。

 

①交渉スタートで紹介したように、飲食店の事業譲渡は、1店舗(不採算店の場合が多いです)の譲渡というケースが多く、売り手と買い手(候補者)が顔見知りであり、スピーディな交渉が優先されます。

そのため、「よりスピーディに」「交渉の入り口は簡潔に」といった要請が強く、お互いにすぐに理解できる、簡潔な合意書からスタートする、ということがよくあります。事業譲渡に関する合意書(簡潔バージョン)

 

では、交渉が開始された後、実際に事業譲渡の契約が締結されるまでの間、どのような作業があるでしょうか。

 

最も重要な作業は、店舗に関する調査です。

  <調査事項>

①店長その他スタッフの体制・雇用継続の可否

②①について、未払い残業代やパワハラ等の問題の有無

③店舗の賃貸借の契約書・賃料の支払い状況の確認

④店舗の機械(レジやサーバーなど)のリース契約書・リース料の支払い状況・残リース料の確認

⑤調理用機械・備品等の稼働状況と補修の必要性の確認

⑥材料等の仕入れ先の買掛金(未払金)の確認・今後の仕入れ確保の確認

⑦材料や飲料の在庫確認

⑧「店名」や「ロゴ」など、知的財産に関連する事項の確認

⑨「ホームページ」やチラシなど、広告に関する事項の確認

⑩その他、訴訟やクレーム対応といったトラブルを抱えていないかの確認

 

大まかに言えば、以上の10項目について買い手側は売り手側に対して、代表者や店長などからヒアリングや店舗での調査を行います。

出てきた問題点を確認して、「解決できる問題なのか?」「解決できない場合にはどのようなリスクがあるのか?」を洗い出します。

 

以上は法的な調査事項です。

 

そのほかにも、顧客の年齢層や商圏、広告戦略などの営業面や接客マニュアルや調理や提供といった運営面(オペレーション)も重要です。

 

ですが、法的事項の調査も非常に重要です。当事務所では上記10項目について調査を実施し、調査報告書(レポート)を提出することもよくあります。

 

当事務所では、飲食店のM&A・事業譲渡だけでなく一般の企業のM&A(株式譲渡や事業譲渡、合併など)を専門的に扱っております。

 これらのM&A・事業譲渡に関する法律相談は初回30分無料にて行っております。

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